スマホ・タブレットのあれこれ

元某大手キャリアのセールススタッフがスマホ・タブレットの機種選びやニュースについて書いてます。

タブレットの新規契約が取れなくて困ってる携帯ショップのスタッフや店長さんへ

先日久しぶりに知り合いの店舗の店長さんから「ONIさん辞めてから新規契約の売上ノルマが大変なんですけど...」と連絡をいただきましたので、今回はなかなか売上が上がらなくて困っている携帯ショップの店長さんやスタッフに向けて書きたいと思います。

 

 格安SIMはキャリアショップのライバルではない?

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最近では多くの店舗が格安SIMを意識しています。実際に当ブログにて時折格安SIMのご紹介をさせていただいていると、スタッフ時代に応援で呼んで頂いていた店長さんや知り合いのスタッフの方から「ONIさんのブログ読んでますけど、格安SIM推すのをできれば止めて欲しいのですが」というようなご連絡をいただきます。冗談なのかどうかはさておき、格安SIMを意識してるのは確かなようです。しかし、はじめに言っておきたいのは「キャリアショップのライバルは格安SIMではない」ということです。

 

実店舗を持たない格安SIMを利用しているユーザーは、そもそもある程度ネットで調べる力を持っている人が多いことが特徴です。これは家電量販店にも言えることで、大手各社がAmazonや楽天といった格安の通販サイトに対抗していますが、経費を考えると値段で勝負するのは土台から無理は話であることは明白です。

 

もちろん、少しでも安く提供しようとする姿勢は素晴らしいのですが、私が販売員として働いていた当時から成績が良かった店舗にはある共通の特徴があります。

 

値段で勝負しない店舗は成績が良い 

ある時から新規契約の専門スタッフとして様々な店舗の応援に駆り出されていた私が気づいたのは「値段で勝負しない店舗は成績が良い」ということでした。私が呼んでいただいた店舗は、かなりの割引をする店舗や全く割引施策を行わない店舗など様々でしたが、不思議なことに割引施策を行なわない店舗ほど成績が良い店舗が多かったのです。

 

値段で勝負してはいけない理由

1.安い時しか売れなくなる

→一度安い値段で売ってしまうと次に買う時に「高い」と感じてしまいます。安さをメインに売ってしまうと、一時的な効果はあっても施策が無い時期には目に見えて売上が下がります。安さを求めて購入するお客様は結局、格安SIMやAmazonもしくはMNPでその都度キャリアを変えるので顧客にはなりません。

 

2.クレームの原因になる

→また売上だけでなく、値段だけで売ってしまうと後々のクレームに繋がります。正直「必要無いのに買わされた」と感じているお客様を多く目にしましたが、それはお客様に「何が良いのか」がきちんと伝わらないままに販売した結果です。

 

安さだけで販売すると「売上は一瞬」「クレームの原因になる」など、良い結果になりません。実際に某地域でNo.1の店舗に行った際、そこの店長さんも同じような事を仰っており実質0円や新規一括0円の施策をほとんど行っておりませんでした。そのポリシーをスタッフとも共有しているので、施策に頼らないスタッフの訴求能力も他店舗に比べて格段に高かったのが印象的でした。

 

格安SIMを意識することは時間の無駄

冒頭で「格安SIMはキャリアショップのライバルではない」と言い切りましたが、格安SIMのメリット・デメリットを考えれば理由は明白です。格安SIMがシェアを伸ばしてきているとはいえ、これだけ格安SIMが各社CMやネット広告で宣伝しているにも関わらず、未だに大手キャリアを使い続けているユーザーが多いのは何故でしょうか?基本的に格安SIMを使うユーザーは「とにかく安くしたい」「自分で情報を収集する能力をある程度持っている」「クレジットカードを持っている」人達です。もし、少しでも料金を抑える為だけに少しの手間も惜しまない人たちばかりなら、今すぐにでも全員が格安SIMを使用してもおかしくはありません。価格だけならネットを見ればすぐにでも格安比較できる時代なのに、です。そうでない現状は先ほど挙げた3点のどれかに(又は全て)に該当している人が多いからに他なりません。そう考えると自ずとショップに来店されるお客様が何を求めているのかが分かる筈です。つまり、そもそも格安SIMの層とキャリアショップを利用する層ははじめから被っていないので意識する必要はないということです 

先入観を捨てること

売上の良くない店舗のスタッフはとにかく先入観が多いことが特徴です。例えばタブレットを訴求した際に「もう持ってるから」と言われてすぐに諦めてしまうスタッフが多くいます。それはスタッフの頭の中で「タブレットは1家族1台」という先入観と「タブレットを勧めると嫌がられる」などの先入観が働いているからです。タブレットを既に持っているということは既にタブレットの良さを知っているわけですから逆にチャンスと捉えてください。「新機種はこんな機能がついていて〜」「最近は二台持っている人も居ますよ」など新機能や予想外の提案で相手を驚かせる気持ちで訴求してみましょう。勿論、嫌がっている人に強引に勧めるのはご法度ですので引き際と見極めが肝心ですが、楽しい事を話す時のように明るく笑顔で話されれば怒るお客様はほとんどいません。一度声を掛けてみて相手の声色で判断するべきです。

 

なぜタブレットは1家族1台と思ってしまうのか?

そもそもなぜ「タブレットを1つ持っていたら十分」と考えてしまうのでしょうか?理由は簡単です。スタッフ自身がタブレットの良さを理解していないからです。自分が良いと思っていない物をどうして人に売ることができるのでしょうか?良いと思っていない物が売れるのは「たまたま価値が分かっている人」が「安さで買ってくれた」だけです。つまり運任せの営業ですね。これでは毎月のノルマ地獄から抜け出せないのは当然です。本当に良いものなら1家族に何台あっても困らない筈です。そう思えないのは自身が良いと思っていない証拠に他なりません。分かり安い例で言うと、実際に私は機種変更で来店された1人の女性に対して家族プランで2人のお子様と旦那様にそれぞれ1台ずつの計3台タブレットをご購入していただいたことがあります。売上の良いスタッフは先入観に捉われず1人に2台は当たり前に売ることができます「高い・安い」「必要・不要」は話を聞いたお客様が判断することであってスタッフが思い込みで判断することではありません。

 

「良さをアピールする」=「マニアックな知識」ではない

では、タブレットの良さをアピールするにはマニアックな知識が必要なのでしょうか?いいえ、全くそんな事はありません。私自身、新規契約専門のスタッフのとして数多くの店舗で販売経験をしてきましたが、その知識はショップに置いてあるパンフレットから学んだ知識がほとんどです。タブレットやスマートフォンを売るのに特別な知識は全く必要ありません。むしろ、マニアックな知識を披露すればするほど「そんな機能必要ない」と思われてしまうことがほとんです

 

お客様に自分が使用しているイメージを想像させる

タブレット販売の成否はこれに尽きます具体的な例を会話形式でご紹介しようと思いましたが、文字数が多くなるのでここでは基本的な考え方のみお伝えしますが「通販をよく利用する人には?」「孫の写真が見たい人には?」「忙しいビジネスマンには?」それぞれどのような用途が思いつきますでしょうか?色んな層の色んな使い方を想定してください。日頃の接客にヒントがたくさん転がっています。

 

とにかく声を掛けることが大切

スタッフの中には興味を持っている方にしか声を掛けない方がたくさんいますが、はじめから興味を持っているお客様に出くわすことはほとんどありません。そして、初めから興味のあるお客様に商品を売ることは自分自身の成長に繋がりません。それでは毎月運に任せた営業になってしまいます。「タブレット?知ってるけど、興味ない」というお客様が大半です。私の経験上、「知っている」と答えた方であっても名前だけは知っているけど実際にタブレットでどんな事ができるのか知っている人はごく少数です。つまりタブレットの販売促進は基本的に興味のない方にするものだと思ってください。そして、「興味ない」と言われてそのまま引き下がるような営業では毎月のノルマ地獄から一生這い上がることはできません。

 

訴求はあくまで自然に、基本はカウンセリングから

とはいえ、無理な訴求はお客様からのクレームを生むだけ。では、具体的にはどうやって行えば良いのでしょうか?私がよく用いた手法は「カウンセリング」です。お客様がどのような目的で来ているのか?想像するのでは無く実際に話しかけてみて話の中から探っていきましょう。タブレットを訴求する前に、お客様がどのような事にインターネットを使っているか、どのような事に興味があるかなど、少しでもライフスタイルを知らなければ最適な提案はできません。あとは各スタッフのカウンセリング能力とコミュニケーション能力が重要になりますが、それは多くのお客様に声をかけ続けることによって自然と向上していくので心配ありません。

 

カウンターにべた付きのスタッフにもチャンスはある。

忙しくてカウンターにベタ付きのスタッフにもチャンスはあります。一見フロアにいるスタッフの方が色んなお客様に声が掛けられてチャンスがあるように見えがちですが、フロアのスタッフの場合は「また後で」や「用があったら声を掛ける」と避けられてしまうことも多い半面、カウンタースタッフの場合はお客様も座っているのでじっくり時間を掛けて訴求することができます。もちろんお客様は用事を早く済ませたいので無理な訴求はクレームに繋がる恐れがありますが、スムーズに訴求に入れるとじっくり時間を掛けて会話ができるメリットがあります。私の経験上カウンタースタッフの場合、訴求はある程度直球でも構わないと思っています。実際私が知っている店舗の中ではカウンタースタッフで1日平均2台以上の新規契約を獲得しているスタッフもいました。フロアとカウンターでどちらの方が得かは関係ないですし、重要なのは店舗としてどれだけ売上が上がるのか?です

 

売上の良し悪しは店長次第

店舗裏には各スタッフの成績が貼っていることでしょう。勿論、各スタッフを競わせるのは大切ですが、あくまで楽しんで競わせることが大切です。私が見た店舗の中で成績の悪い店舗ほど店長が各スタッフを悪戯に競わせてプレッシャーを掛けます。「みんなも○○のように頑張れ」とか「○○はできてるのにお前はできていない」のような軽はずみな発言はスタッフのモチベーションを下げるだけです。スタッフがノルマを意識し過ぎると、他の業務の接客が疎かになってしまったり、目ぼしいお客様の取り合いになって店舗内が殺伐とします。その結果、お客様自体が減少してしまい新規契約どころではなくなりますそれぞれの店舗はひとつのチームだと考えなければいけません成績の良い店舗は新規契約の1件をスタッフ全員で喜ぶことができます。それは店長が、それぞれのスタッフが1人1人のお客様に対して、日頃から丁寧に接客している結果だということを理解しているからです。店長が適切にスタッフを評価している店舗では、スタッフが自主的にアシスト役を買って出ます。つまり店舗の売上を上げるには、店長がスタッフを適切に評価してあげる事が最も重要と言えるでしょう。

 

 

 

思いの外長文になってしまいましたが、だいたいこのような事を頭に入れて日々の仕事に取り組んでいれば自ずと結果が出てくるかと思います。しかし端末の販売促進は日々の業務のほんの一部分にしか過ぎません。格安SIMが台頭してきた今だからこそ、今一度キャリア・ショップにしかできない対面での接客に力を入れて頂きたいと思います。その日々の積み重ねがやがて身を結び、お店を支えていく力となることでしょう。綺麗事ではなく、成績の良い店舗ほど、地域に密着しており、常連客が多いのが特徴です。ある店舗では常連のお客様それぞれにお気に入りのスタッフがいて、その為に1時間でも2時間でも待つ店舗がありました。簡単な操作説明や料金プランの見直しなどの常連で埋め尽くされ、立地も駅から20分以上離れているという条件に関わらず、その店舗の端末販売実績は周辺地域の他店舗より抜きん出ていました。嘘のような本当の話です。これをお読みになって下さったショップスタッフの方々も、是非そのような地域から愛される店舗を目指して欲しいと思います。

 

 

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